雨の日の交通誘導は過酷⁉

雨天時の交通誘導員が直面するリアルな危険

8〜13分

リード


雨が降ると、交通誘導員の最大の敵は視界不良です。雨滴がヘルメットやゴーグル、またはサングラスに当たり、見えづらくなることはもちろんのこと、雨で濡れた路面に映る街灯や車のライトが乱反射し、周囲の状況が掴みにくくなります。

  • 車両ドライバーの視界も悪いため、誘導の手信号や旗が見えづらくなる
  • 遠くの危険箇所を察知するのが困難になり、事故のリスクが高まる
  • 雨具のフードや帽子が視野を狭め、左右確認が難しくなる

交通誘導員は反射素材が多く入った明るい雨具を着用し、誘導灯(LEDライト)を併用して視認性を確保します。また、雨の日にはいつも以上に慎重に周囲を確認し、声掛けを多用してコミュニケーションを密にすることが求められます。


雨天の現場は路面が濡れて滑りやすく、交通誘導員自身も転倒や滑落のリスクが高まります。特に、泥や落ち葉、油分が混ざった路面では注意が必要です。

  • 急に足を滑らせて転倒し、車両に接触する危険性
  • 転倒による怪我で現場を離脱し、警備が手薄になるリスク
  • 足元の悪さで誘導に集中できず、判断ミスにつながる

滑りにくい靴底の長靴や防水ブーツを装備し、足元の安全確認を常に行います。また、作業区域には滑り止めマットを設置することもあります。雨天時は通常よりゆっくりと歩き、足元の安定を優先して動くことが基本です。


長時間の雨の中での交通誘導は、身体的な負担が非常に大きい仕事です。雨具は防水性が高いものの通気性は劣るため、蒸れや暑さで体力が消耗します。

  • 雨具の重さや蒸れで動きにくくなる
  • 雨水が衣服の中に浸透することもあり、冷えや風邪の原因に
  • 常に濡れた状態で体温低下が起こりやすく、疲労感が増す

吸湿速乾素材を使ったインナーや雨具の下に着る防寒着を工夫し、体温管理に気をつけます。また、休憩時には濡れた服を乾かすためのスペースや着替えを用意し、体調管理に努めています。


雨天時は車の制動距離が伸び、ブレーキの効きが悪くなることから交通事故のリスクが通常より増加します。それに伴い、現場での交通混雑やトラブルも多発します

  • スリップ事故や接触事故の増加
  • ドライバーの焦りやイライラによるヒヤリハット行動
  • 視界不良による誤誘導や混乱

交通誘導員は常に安全第一を心掛け、早めの注意喚起とゆっくり確実な誘導を実施します。また、現場の交通状況を逐次無線で報告し、必要に応じて警察や関係機関に連絡する体制を整えています。


雨天は身体的だけでなく精神的な負担も増加します。長時間の雨の中での作業は、気持ちが落ち込みやすく、モチベーションの維持が難しいことも現場の課題です。

  • 雨で寒く、不快感が続くことによる集中力の低下
  • 濡れて疲れた状態での長時間勤務のストレス
  • 天候によるお客様や同僚からの無理解や苦情

雨の日の交通誘導は、晴れの日以上に危険や困難が多い過酷な仕事です。しかし、その分、交通誘導員の責任感とプロフェッショナルな姿勢が問われる場面でもあります。雨の中で安全を守り続ける警備員たちの努力があってこそ、私たちは安心して道路を利用できるのです。

この記事を通じて、雨の日に頑張る交通誘導員のリアルな現場と苦労が少しでも伝われば幸いです。もし現場での仕事に興味がある方は、ぜひ彼らのプロの技と精神力に注目してみてください。