冬の交通誘導警備特集:雪道・寒冷地での安全確保と工夫

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リード

冬になると、警備現場は一気に過酷さを増します。
雪道や凍結した路面、吹雪による視界不良など、交通環境が大きく変化する季節
この時期は、歩行者もドライバーも注意が必要ですが、それを支える交通誘導員の安全確保と判断力が何より重要になります。

冬場の現場では、ほんの少しの判断ミスが事故につながることも。
今回は、雪国ならではの「冬の交通誘導警備」に焦点を当て、現場で役立つ安全対策や工夫をご紹介します。


雪道では、まず視認性がカギになります。
吹雪や夜間などで視界が悪い状況では、誘導灯や反射材を最大限に活用し、「見える警備」を意識することが大切です。

また、雪道では車の停止距離が長くなるため、
車両を止める際はいつもより早めの合図距離を取った立ち位置を心がけます。
車がスリップしても警備員自身が巻き込まれないよう、退避スペースを確保した位置での誘導を徹底しましょう。

さらに、歩行者の転倒防止にも注意が必要です。
横断歩道や歩道の段差、雪が固まった箇所など、危険箇所を声かけで伝えることも現場での大切な役割です。


冬の交通誘導では、防寒対策も欠かせません。
特に長時間の屋外勤務では、冷えによる集中力の低下体調不良が事故の原因になることもあります。

効果的な防寒対策としては、

  • 重ね着で保温性を高める
  • 靴下や手袋の中にカイロを入れる
  • 防寒ブーツや靴底スパイクで滑り防止

といった工夫が有効です。

また、現場では定期的に休憩を取り、温かい飲み物を摂取することも大切。
体を温めることで反応速度や集中力を保つことができます。

そして、“滑り止め砂”を常備しておくと、緊急時に足元の安全確保にも役立ちます。


雪道では、一人での判断や作業は危険を伴います。
そのため、冬場はチーム全体での情報共有と連携が非常に重要です。

天候の急変や路面状況の悪化など、変化があれば即座に共有。
互いに声をかけ合いながら安全を確認し、「全員で現場を守る」意識を持つことが大切です。

また、吹雪などで視界が悪いときには、無線機やスマートフォンアプリでの連絡体制も活用しましょう。
緊急時には現場責任者への報告を早めに行い、無理な誘導は避けることが基本です。


冬の交通誘導は、普段よりも体力と注意力を要する現場です。
しかし、事前の装備点検や天候確認、チームでの声かけを徹底すれば、リスクを大幅に減らすことができます。

大切なのは、「慣れ」よりも「備え」
どんなに経験があっても、冬は毎回違う環境です。
一人ひとりが安全意識を高め、地域の安心を支える警備を心がけていきましょう。